【N】

Nyquist frequency
(ナイキスト周波数)

パルスドプラ法における最大検出ドプラ偏位周波数のことです。
パルスドプラ法では、目的とする深さに相当する時間にゲートをかけます。そうすることで目的部の血流信号のみを取り出すことが可能となります。ただし、反射体までの距離があるので、送信パルスの繰り返し周期Tの半分以下の時間(深さ)でないと血流信号が検出されないという制約があります。
繰り返し周波数Tに相当するPRF(pulse repetition frequency;パルス繰り返し周波数)は、PRF=1/Tの関係にあります。
ドプラ偏位周波数をfdとすると
-PRF/2≦fd≦PRF/2
となります。
以上のことから、最大検出周波数はPRF/2に限定され、PRF/2はナイキスト周波数と呼ばれます。

nativ tissue harmonic imaging
(ネイティブティッシュハーモニックイメージング)

ティッシュハーモニックイメージング(tissue harmonic imaging)とも呼ばれます。生体内を超音波が伝搬するに際し、超音波が疎密波であるために音圧の高低を伴いながら進行します。
進行波は、音圧の高い部ではやや速く、音圧の低い部ではやや遅く進むので、波の伝搬に伴い徐々に波形に歪みが生じます。この歪みの程度は媒質の非線形パラメータ(B/A)により規定されています。
超音波の波形の歪みにより「はじめに生体内に入射した中心周波数f0の超音波(基本波)」以外に多くの高調波(周波数nf0,n=2,3,4,・・・)が発生します。この高調波成分のうち主に2次高調波(2f0)が用いられ、その成分を画像化したものがnativ tissue harmonic imagingです。
2次高調波成分は音圧の2乗に比例して発生するので、サイドローブはメインローブに比較して音圧が低くなります。つまりサイドローブにより形成される2次高調波はほとんど出現しないことになります。よってサイドローブによるアーチファクトは軽減されされることになります。
また、多重反射にも同様のことが当てはめられます。多重反射のような複数回の反射によるものは音圧が低下するために、これも軽減されます。
さらに、高調波成分による画像であるので、回折が少なく結石などの音響陰影が明瞭に出やすいので、結石の診断にも役立ちます。

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